人工痴脳のこと
チャットGPTの話題に少し関わりますが、大昔の話です。
20数年前のPC学習と言えば、パソコン教室での授業でした。これは生徒のPCが教師のサーバー経由で
無いと、外の世界へと接続出来ない閉鎖的な世界でした。現在は一人一タブレットと言われ、生徒のタブレッ
トはWiFiやモバイル通信でゲームでもネット検索でも勝手気ままにやっているようで、制御が出来ず、教師の怒
りの言葉を時々聞かされています。正直にタブレット学習の成果を聞きたいモノです。言い換えると、子どもの
学習にPCを含めた教育機器をどのように位置づけるか、教育の大きな課題ですが、未だ不十分で恐ろしさを感
じています。そこで、参考になるかどうか、昔話を書いてみます。
その20数年前、私の管理していたPC教室ではPCを立ち上げると「人工痴脳」が画面の隅に出ます。クリック
すると「何か書いてください」となって、生徒が適当な語を入力します。会話になるようにプログラミングしてありま
す。初めはぎこちないのですが、3ヶ月もすると打ち込んで貰う語彙や情報でサーバーはドンドン利口になり、
生徒の相手役に成長します。もちろん削除する語はたくさんあります。例を挙げると、Aが「疲れた」と打ちます。
以前Bが書いた「どんなに疲れても歌は歌いたい。心の支えだから…」の文字が疲れたと言う語に連結されて答
えの様に出てくるのです。「闇バイト」なんて語は無かったし、ほのぼのとしていました。時間をみて、結構生徒は
喜んで使ってくれました。正に「痴脳」なので、気楽な相手だったのでしょう。今はネットを通して計り知れないデ
ーターベースに接続する訳で別の魔物になってしまいました。このリスクを知りながら「タブレットで何でも検索し
ましょう!」などと発問出来る筈がないのです。教室が心配で堪りません。
------------------ 追記 -----------------------
現在では学校のネット利用関係がどうなっているのか分かりませんので、全く当てはまらない話かも知れません。
当時は自治体毎にウェブ業者と契約しており、少しだけ学校にスペースを貸して貰う様なシステムでした。幸
運な事に、親サーバーが学校からもCGIを使える様にしてくれていたので、パール等のコマンドを使って、サーバ
ーを動かす事が出来たのです。アンケート募集をしたり、書き込んでもらうと人数のカウントが出来る等、とても便利
でした。逆に(今なら)ホームページを乗っ取られるとか、とてもセキュリティが甘かった時代でした。
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