柳津町探訪
        柳津西山地熱発電所         久保田33観音石像

 久保田集落の外れにこのような小高い丘全体
に観音石像が安置されている。この信仰の度合
いは相当なものを感じた。
「原子力に代わる発電所はこれ、地熱発電」ではない
だろうか。
再生可能エネルギーの理想の様なこの地熱発電が既に活
躍していることを最近になって知った。自分の家から近いの
で、詳しくをこの目で…と思い、出かけて来た。
発電能力は65,000kw もある。東北電力だ。
福島原発の事故では放射能でこの先が全く見えない状況
だが、福島県にはこのような地熱発電所や奥只見ダムから
の水力発電など、発電量からしても一番。日本の電力を支
える発電所が数多く設置されていることをお知らせしたい。
 地熱発電は立地条件からして、多くの環境保護、自然と
の調和を様々にクリアして、実用化されており、ここ西山発
電所でも次の手立てが講じられている。
1.地熱を得る井戸は地下1,500〜2,600mもの深さから熱
  水を取りだしている。
2.その熱水を取り出す管を集中して、広大な面積を必要と
  しないようにしている。地下で井戸が広がった状態になる
  「曲げ掘り」という技法だ。
3.得られた熱水、冷却排水等は還元井戸で、再度地下深
  くに戻されている。
4.山の中に張り巡らされた管は熱水や蒸気の配管で、ター
  ビンのある発電機などの機械類は発電所に集中設置され
  て騒音・振動などの防止対策となっている。
5.地下から得られたガス等で有害なモノは除去装置で除か
  れ多くの空気と共に放出される。
6.樹木伐採を最小限に抑え、発電所の色も自然と調和する
  ように図られている。
 等である。
 今後更に日本の将来を見据えて自然エネルギーの利用を
 考え、実現できる方策をとっていかねばならないだろう。
 その簡単で身近な具体例がここにあると言えよう。
ここに来ようと思った動機には「十字架をもつ観音
がある」とあったからで、それは7番観音像だった。
下に観音像の看板の説明を載せておきたい。
 この観音山には、聖観音11体・千手観音12体・
如意輪漢音5体・11面観音3体・馬頭観音2体の
石像群が安置されている。
 一巡230m程の行程を33回巡拝することを習い
とし、妊婦の安産祈願の観音として深く信仰され
ている。
 5〜7m間隔に並び舟形光背を負う半肉体彫り
で、中には十字架をもつ観音もあり、隠れキリシ
タン信仰の関わりも考えられる。
 結びの像の台座には「文政元年・世話人・
松三郎、龍助、龍七、縫之助、仙治良」の名前
が刻まれている。歴史と信仰と先人の賢を今に
伝える貴重な石仏群である。

-- 戻る --